歌舞伎と長唄三味線

長唄三味線は細棹三味線の一つで、三味線の中ではもっとも軽量な部類に入ります。他の三味線と比べ歌謡性に富みメロディアスな音楽を作る事ができる楽器です。その音楽は歌舞伎にも使用される事が多く、舞踊の伴奏だけでなく、芝居のBGMや情景描写、登場人物の出入りなどにも使用されます。

長唄三味線とは?

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引用元:http://www.tokyo-tradition.jp/archive/10/hougaku/instruments.html

三味線は非常に繊細な素材で衝撃はもちろん湿気にとても左右される楽器です。長唄三味線では皮は猫の皮を使用していて、撥は象牙、糸は絹糸で出来ています。

皮について

通称「四つ」と呼ばれ、出産前の雌猫の皮がもっとも上質と言われてます。練習用の楽器では犬の皮を用いる事が多いです。最近では合成素材を使った三味線なども存在します。皮は湿気の差が激しいと破けてしまいます。

使われている木は?

歌舞伎などの舞台で使用される三味線には「紅木(こうき)」という木材が使われます。とても密度が高く硬い材質の木で、紅木という字の通り紅色がかった色をしています。三味線は糸を爪で押さえてストロークをする事から木が爪によって擦り減っていきます。擦り減っていくと音が悪くなるためかんなのようなもので擦り減った部分を磨き直します。繰り返していく事で木が減っていくので「音が軽く」なってしまいます。三味線はヴァイオリンなどと違い何百年も長く使われる楽器ではなく「消耗品」といえます。

出囃子と黒御簾音楽

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引用元:http://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/kabuki/jp/4/4_05_08.html

歌舞伎で長唄三味線は「出囃子(でばやし)」と「黒御簾(くろみす)」という二つの音楽を担当します。出囃子は舞台に出て演奏され、黒御簾はお客様には見えないところで演奏されます。

舞台に出て演奏される出囃子

かたぎぬという衣装を着けて舞台に出て演奏されます。三味線、唄、鼓、笛、太鼓など総勢約20人の和楽器オーケストラのような編成になっています。舞踊の伴奏として演奏されたり、役者の衣装替えのツナギとして演奏したりします。

芝居のBGMとして演奏される黒御簾音楽

舞台の下手(左側)に黒御簾とよばれる小さな部屋があり、格子がついた窓から舞台を覗きながら演奏されます。黒御簾で演奏される音楽を黒御簾音楽といい、いわば歌舞伎のDJのような役割で、歌舞伎には欠かせない重要な存在です。

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